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インターネット古文講座

KOBUN-Online

楊 暁捷  李 康民

6-2-11 格助詞:して

 

とりわけ漢文訓読の文脈から生まれた表現。「装束して」「心地して」「声して」「物語して」などの用例にみられるように、名詞を動詞の表現にし、あるいは「ーをして」のような表現に延長し、つぎの用法となる。

(一)手段・方法・材料を表わす。「ーを用いて」「ーによって」の意。

例:
このごろ摘み出だしたる花して、<最近摘み取った花を用いて>(『源氏物語』野分)
刀して藁を押しひらくに、<刀をもって藁を押し開いて>(『宇治拾遺物語』23段)

(二)行動などを取らせる人を指す。動詞の使役の用法と呼応する場合が多い。「に」の意。

例:
人して「……」と聞えかけてかへりにき。<人々に「…」と言い聞かせて帰った>(『枕草子』35段)

(三)行動などに携わる人の数・範囲などを表わす。「ーで」「ーでもって」の意。

例:
犬を蔵人二人してうち給ふ。<蔵人二人で犬を打った>(『枕草子』9段)

・ 6-2-11-1 「して」の用法

 

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