或年の九月九日に貞任五百余騎の夷賊を相具て
出来て陣牒の使をたてたり詞云今日はことに
菊酒を酌て興宴をいたすべき日也君は当国の
刺史也貞任等は其中の黔首也節供を進ぜしめん
がために参向するところ也と後藤内則明其返事に云
汝達節供を進ぜしむべきよし聞食は兼日に飲失べ
き支度あり早々に持参ずべき也と其時貞任宗任
良昭等悦て鼓をうち軍呼して襲来る御方同鼓を
うち時をつくり寄よせ向て合戦す巳みの時より箭合酉時に
至て乱入剣を合て合戦すれども勝負なし貞任が方
に死者百余人疵を被者九十余人御方に死者八十
余人疵を被者六十余人也
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