絵巻詞書集

 餓鬼草紙
第七段

第六段→ 


仏、阿難におしへたまひしにま
かせて、比丘ありて、はちにもろ/\の食
おもりて、「南無多宝如来、妙色如来、広
博如来、離怖畏如来」と、よつのほとけの
みなをとなへ、救抜餓鬼陀羅尼を七
遍誦じて、ひぢをのべて、きよき地
のうへに食物をうつせば、仏法のちか
らによるゆへに、百千万那由他恒河沙
数の鬼、こと/\く食をえて、飽満する
ことをう。
【読み下し】
仏、阿難に教へ給ひしに任
せて、比丘ありて、鉢に諸々の食
お盛りて、「南無多宝如来、妙色如来、広
博如来、離怖畏如来」と、四つの仏の
御名を唱へ、救抜餓鬼陀羅尼を七
遍誦じて、肘を伸べて、浄き地
の上に食物を移せば、仏法の力
による故に、百千万那由他恒河沙
数の鬼、悉く食を得て、飽満する
ことを得。