音読・男衾三郎絵詞

Narration: A Scroll of Warrior Obusuma Saburo


製作・朗読:  楊暁捷(X. Jie Yang)


 


『男衾三郎絵詞』は、鎌倉末期の十三世紀末ころに成立した、中世の代表的な絵巻ものである。現在、七段の詞書と六段の絵のみ伝わり、東京国立博物館に所蔵されて、重要文化財に指定されている。

現存の部分は、作品全体のほぼ半分ぐらいに当たると思われ、武蔵の武士吉見二郎と男衾三郎という二人の兄弟の対照的な生き方、兄吉見二郎の死と、その娘や妻が男衾三郎夫妻から受けた理不尽な虐待などを描く。絵巻の中では、観音の姿が詞と絵に何回も現われ、中世後期の御伽草子に多数作成された観音霊験譚の、きわめて早期の作品だと思われる。ただし典型的な御伽草子の作品と違って、詞書に対して絵の分量ははるかに長く、豊富である。とりわけ、地方で暮らす無名の武士の生活の様子、物事の考え方や対応仕方など、ストーリや絵の場面において丁寧に表現されていて、似たような題材の作品がさほど伝存されない中、とりわけ貴重である。なお、ストーリや人物が明瞭で分かりやすいのみならず、ところどころきわめて誇張されていて、ユーモアたっぷりの表現が施され、読んでいてじつに楽しい。

ここに全巻約四千五百文字の詞書と、それに加えた現代語訳を朗読する。どうぞご意見、ご指摘をお寄せください

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特別バージョン:音声と画像の連動  (第五段)


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